宮本武蔵 5,6

宮本武蔵 5 吉川英治

(ストーリー)
剣の修行の旅は続く。江戸で一騒ぎを起こした武蔵は、そこを逃れて再び旅へ。その途中で、二刀流の極意を体感する。一方、又八は、ふらふらした講堂を続けた結果、徳川政府に反逆する計画に荷担するハメになる。事実を知った沢庵は、又八をしかりつける。
そのころ城太郎もまた、その徳川政府転覆作戦に、身を投じていた。
(感想)
ハエを箸でつかむシーンがあるんですが、このシーン、テレビで見たことがあります。たしか武蔵役は「仮面ライダー」の藤岡弘さんだったかな……。なので、「オーこのシーンは知ってるぞー」と、久々に身近に感じました。
それと、又八。
相変わらず、ふらふらしています。この人の優柔不断さや、ご都合主義的な考え方って、いかにも人間的で、武蔵が「光」なら又八は「闇」を担当してるといえるかもしれません。 武蔵も、かなり強くなってきていますから、又八との距離は開くばかり……。
沢庵に見つかったことをきっかけに、しっかりしてくれるといいんですが。
もう一つ、城太郎と伊織。
二人とも武蔵の弟子ですが、知らないで対決するシーンがあります。
この部分は見応えがあり、わたしは面白く読みました。




宮本武蔵 6 吉川英治 2012/04/23

(ストーリー)
武蔵は、名前を変えて修行をするのだが、君命により佐々木小次郎と決闘をすることになった。そのころ、伊織は、姉お通を探して行き違いの毎日を過ごしていた。一方又八のほうは、沢庵に拾われて僧侶を志すものの、朱美に子どもが生まれたことの責任を取って、彼女と暮らすことを選ぶようになる。そのころには、又八の母お杉も、積年の武蔵への恨みつらみが消えていた。城太郎は父を捜し当て、立派な侍になっていた。

(感想)
又八、やっぱり最後までふらふらしてましたが、責任を取るというその態度は立派。それまでダメダメ男だったのに、急に「男」に成長して、又八ファンとしては大満足です。それと、伊織とお通の行き違いは、5巻目ぐらいから始まってるんですが、連続昼メロ小説という感じで、「この本は時代劇じゃなかったのかー」と突っ込んでしまったことでした。まあ、結果はあれだからあれだけど(もごもご)。
小次郎と戦うシーン。
伝説通りにやってますね。
このシーンを読むために、ながながとこのシリーズを読んでいたような気がします。
でも、その後のシーンは、いやにあっさりしてます。
これって吉川せんせの性格? (笑)
ちょっと未消化っぽい気もしますし、もうちょっと読んでいたかったんですが、終わりだと言うことなので……
まあいいかな、とか思いました。