燃えよ剣 (下)
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1972/06/19
- メディア: 文庫
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宿敵・七里から一度は殺されかけた土方だったが、いったん生還。逆に彼を襲って殺し、その背後に伊東がいる証拠を手に入れた。時代はどんどん、新撰組に不利に働いていく。「ここまできたら、もう攘夷とか開国とかじゃない。男の美学の問題だ」
とする土方に、ついていけない組員たちの脱走が続く。とうとう古くからの盟友は、近藤だけになってしまった土方は、しかし、近藤ともまた、別れなければならない時が迫っていることに気づいていなかった。
(感想)
土方って、狂気の人で、はっきり言って愚か者だなと思ってたんですが、最初から最後まで、スジはとおってますよね。自分の価値観をしっかり持ってて、それに合わないとメッタ斬り。最後の最後まで、抵抗を続けて……。北海道まで行ってしまうという……(汗)
こういう人にはなりたくない(いや、なりたくてもなれない)というタイプの人でした。
それもあるんですが、土方の周りの人々も、個性的です。
近藤とか沖田とかお雪さんとかが印象的でした。
男の美学で自殺行為を繰り返す。
時代って、おそろしいですね……(滝汗)
この土方を、善人とも、悪人とも描いていない司馬せんせ。
時代に対するクールな視線が、あいかわらず印象的でした。