『日蓮』中尾堯

日蓮』中尾堯
(ストーリー) 
 文筆家の家系に生まれた日蓮は、十二歳で比叡山に遊学。その後、様々な寺を遊学した後、一切経のなかから法華経を選び、「南無妙法蓮華経」と題目を唱える天台宗の新しい教え(のちの日蓮宗)を広め始める。さまざまな法難(時の政府からの迫害)を受け、蒙古襲来や政府の内部分裂を予言したあと、地震・洪水・飢饉・疫病などの災害が起こる原因は、民衆や幕府が主に法然の念仏をはじめとする邪法を信仰することにあるとし、仏教経典を根拠に、正法たる法華経を立てなければ自界叛逆難、他国侵逼難などの災いが起こると説いて、勢力を拡大。三度目の蒙古襲来を予言するも、それは当たらず、日蓮は病死する。
(感想)
 ほかの宗教を邪法とするあたり、いかにも新興宗教です(笑) まあ、宗教なんて、最初はみんなそんなもんでしょう。とくに浄土宗との対立はひどかったらしいですね。
 広島は、安芸門徒浄土真宗)なのですが、日蓮との関係はどうだったんだろうと思います。いやー日蓮系の新宗教が、ひろでんの車内吊り広告で広告を良くやってるもんで……(汗) もう、何百年も前の話なのに、いまだに日蓮さんは、影響力があるのねーという感じです。
 中尾さんの視点から見ているので、日蓮さんがすごーく勉強家で、努力家で、宗教的情熱にあふれているように見えますが、実態はどうだったんだろう。案外したたかで、政治的判断もできて、頭がキレる人だった気がしますが。
 ものすごくいろんなコト、よく知ってる人だったんだろうな、とは思いました。
 

日蓮 (歴史文化ライブラリー)

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