正岡子規と、彼の友人である秋山兄弟の話です。

 正岡子規以外はほとんど知らない人ばかりでした。どんだけ日本史にウトいんだとわれそうです(笑)
 あらすじは、食い詰めた貧乏武士の秋山兄弟が、立身出世のために、タダで学校へ行けるというので田舎の伊予から都会に出て行き、そこで三人はそれぞれの道を行くようになる、という筋だて。子規ははじめは大臣になるつもりだったらしい。秋山(兄)は兵隊になるつもりはまったくなかったのに、なぜか騎兵を学ぶことになり、秋山(弟)は海軍にいくことになってしまいます。
 それぞれの個性が、はっきり分かるように小説に書いているのが面白かったですね。
 群像劇の一種らしく、日清戦争に活躍した人たちの事も書かれていて、
「敵に同情して投降を促す」シーンがちょっと感激しました。
 それ以外では、「竜馬がゆく」ほど鮮烈なイメージがないというか、司馬さんのパターンってわかりやすいなーというか……。そこがいいのか悪いのか(笑)
 文体は読みやすかったんですが、戦闘シーンは相変わらずよくわからなかったです。作戦のことを言われても、ぴんと来ないし。ドラマ化されたときに見ればよかったかも(笑) 明治という時代を描くのに、こういう語り方で描写するのは、なんというか、
「時代劇的写実性」というか、ノンフィクなんだけど、どこか古めかしいというか……。昭和四十年代の作品だからそれも当然なんでしょうね。
 全部で三巻あるそうなので、一応、全部目を通してみたいと思ってます。