四人の著者による、龍馬研究本です。

北原亞以子、宮地佐一郎、高橋三千綱、山本竜也。どなたも歴史に詳しそうです。


高橋によると、龍馬はやさしい子で、泣き虫だったということになってます。別の書物、<徹底検証 坂本龍馬>では、泣き虫だの寝小便の癖が少年時代まで抜けなかったことだの寺子屋を一度でクビになったことだのというのは、後世の人の創作だ、ということになってるんですが、この人はそうは書いてません。


自分で自分のことを「はな垂れ」と書いてる、と龍馬の書簡を紹介しています。


という論拠があるということは、つまり<徹底検証>のほうが、誤った知識だった、ということなんでしょうか。
書簡が本物なのかどうかも気になります。
この本には、ほかにも気になることが書いてありまして、勝海舟との面談の正確な日付がわからない、ということも書かれています。もちろん、刺客がだれなのか、その謎についても書かれています。(謎を解明したわけではありません、念のため)。


この本が親切だとおもうのは、龍馬関係の年表とか史跡案内とかが書いてあることだと思います。史跡、わたしも行ってみたいかもしれない!


英雄の時代というシリーズものになっているこの本ですが、厚さはそれほどではないですし、目新しいところといえば、映像になった龍馬について語られているという点ぐらいなものです。すでに知っていることが結構ありましたが、これも含めて<徹底検証>が創作と決めつけた部分を、ちゃんと論拠をあげて事実だと示しているというところは、学者系の人たちが書いたのかな、という印象を受けました。そして、女性の目(北原亞以子)から見た龍馬の妻ふたりの姿は、インパクトがありました。





坂本龍馬 (英雄の時代)

坂本龍馬 (英雄の時代)